第 2960 号2005.10.16
「 恋する予感 」
浜田 由伊子(大田区)
台風が近づいている影響で、今日は一日雨だった。
雨の日曜日。これといった予定もなく、空を眺めていた。
外は、急に秋の風でいっぱいになった。
私の好きな季節がやってきた。
これからクリスマスにかけては大好きな時である。
空気をたくさん吸ったら体中にエネルギーが湧いてくる感じ!
「よし、よし!」とまばたきを二回した。
そうしたら、今度は急にせつない気持ちになって、
迷子になった気分になってきた。
「誰か私のこと探していませんかー、私はここにずっといるんですよー」
恋人に巡り会えることが人生最大のテーマだった時期は過ぎ、最近はそれなりに楽しく過ごしているけれど、季節の変わり目、特に秋は気持ちがちょっと揺れる。
例えば、カフェで一人紅茶を飲みながら本を読んでいたりする時。本から目を離した瞬間。目の前に彼も本を読んでいたらどんなにいいだろう。という想いが心の中を駆け抜ける。ほんの一瞬だけど。
雨はまだ降り続いている。
恋するのは辛いことばかりだった私だけど、雨の日曜日に一人で部屋にいたらまた誰かに恋がしたいななんてちょっぴり思って心がキュッと鳴った。
やっぱり秋は好き。