第 2945 号2005.07.03
「 友達リッチ 」
生田 由子(神奈川県相模原市)
英会話を習い始めて15年になる。
平成の始まった年にこの町へ越してきて友達作りが目的で軽い気持ちで公民館の「英会話サークル」に入会してからあっという間の15年だった。
講師もメンバーも入れ替わりはあったが、月に2回の逢瀬を楽しんで来た。
オーストラリア人の講師からは「もうあなた方の年では英語は上達しない。退歩していくのみ」と正直な言葉を頂いても、主婦の日常から英会話のレッスンという非日常の世界に身を置くのが楽しみで続けてこられた気がする。
英語でしゃべるとメンバーどうしのレベルの差は自分の目にも他人の目にも明らかで、自分を飾ったり、取り繕ったりはできない。そのため辛らつな言葉も正面から受け止め、共に理解しあえてきた。そしてそこにしかない安定した幸せな付き合いが続いてきた。
一緒に元の先生宅(アメリカ)に行って一週間のホームステイをしたり、近郊に美味しいものを食べに出掛けたり、ホームパーティを開いたり子供たち以上に友達と群れあって楽しんでいる。
先日のレッスンで、マネーリッチ(お金持ち)とタイムリッチ(自由時間がたくさんある)という話題を討論した。どちらも一長一短だけれど、良き友達に恵まれているという友達リッチという言葉があれば正に私達はそうだよねと言い合った。
マネーリッチよりタイムリッチより友達リッチは幸せだ。