第 2877 号2004.03.14
「 爺のメル友 」
木村 直良(埼玉県吉川市)
60を過ぎてから携帯を持った。かける相手もいないと思っていたが、うれしいことにメル友が数人できた。最近は電車の中で女子高生のようにメールを打って、ひとり悦に入っている。以下その交信録。
立春大吉
今日節分。最近は「福は内」の声が聞こえてこなくなりました。豆をまかずに殻つきのピーナッツをまいて後で回収するしっかりした家庭もあるとか。あした立春。草木の芽生え、鶯の初鳴き。梅はいつ観に行きましょうか。 梅一輪一輪ほどの暖かさ 嵐雪
余生
観梅の次は観桜ですね。上野の山の賑わいよりも山の中腹に咲く一本の桜に心ひかれる歳になりました。世の中は三日見ぬ間の桜かなと言いますが、そんな急テンポの埒外に居て、気張らずにのんびり暮らせるのは幸せなことですね。 何事ぞ花見る人の長刀 去来
メールだ花見だと騒いでいたら、若い連中から「余生を楽しんでいますね」と言われてしまいました。確かに、もう余生ですが人から言われたかぁないですよね。
三寒四温
ずいぶん春めいてきました。一茶が「けふからは日本の雁ぞ楽に寝よ」と優しく呼びかけた雁たちも北へ帰っていきました。これからは草花の季節です。盆栽いじりもいいですが桜草やスミレなどを咲かせるのも楽しいですね。庭の片隅に植えたサヤエンドウも青々と柔らかい葉を繁らせています。いずれ、キヌサヤのおすそ分け、楽しみにしていて下さい。 春なれや名もなき山の朝がすみ 芭蕉
はなまつり
覚えていますか。お釈迦さまに甘茶をかけた行事を。今、どこでやっていますか。知っていたら教えて下さい。メール待っています。