第 2863 号2003.12.07
「 娘の手紙 」
青木 いな美(静岡県袋井市)
いつも携帯電話なのに、ひさしぶりに娘から手紙が届きました。
2年間の就職浪人をした後、夢を実現させた娘は、今、家を遠く離れて働いています。
中が透けるような水色の封筒に、可愛いいぞうのシールが貼られ、思わず口元がほころびます。
『お元気ですか?
私はこっちに来てまだ一度も!かぜをひいていません。我ながらすごい。
お母さんにバランスよい食事のとり方を毎日の食事の中で教えてもらったからかなと思います。
ありがとう。パパ、ママの教えが、私の中でちゃんと根付いて生きてるなーと、ふと思うときがあります。
“いい育てられ方をしたね”と周りの人からほめられたこともあります。
私もつくづくそう思う。
私は幸せだなあ。うん。』
思いもよらない娘の手紙に、涙がふわっと出てきて次が読めなくなりました。
共働きの上に、両親の介護が重なり、かなり娘には負担を掛けてきたのに。
ありがとう。素直に成長したね。
私の宝となった娘の手紙は、今も仏壇に置いてあります。