第 2835 号2003.05.25
「 老いらくの手習 」
広瀬 桂子(調布市)
パソコン嫌いだった私も、姉妹や従姉妹から、「貴女の所だけパソコンがなくて不便」と、云われ続けて、一念発起買ったはよかったけれど、立ちあげるのに、命の縮む思いの果て、ギブアップして、娘にしてもらった。
そこからが又大変で、マウスでさえままならないで、とんでもない画面が出てしまうし、こわすのではないかと心配で、娘にヘルプキーを押してみても、「自立しなさい!!」とすげない。
丁度その頃、私の住む調布市で、「初心者のパソコン講習会」があって、特別暑かった14年の夏のさなか、3時間×4日の12時間を、七十二才、本気を出して受講に通い続けた。
毎日姉妹の誰かには勿論、娘のお友達にもメル友をお願いして、メール交換しているうちに、若い人達からは記号を使う楽しさを思い出させてもらい、私も、顔だ星だ音符だ、色をつけたりと…独り遊びがとても楽しくなってしまって、今ではメールは受手の時間を考えなくていいから、とても便利と、すっかりパソコンのとりこになってしま った。これでは若い人達が、面白がったり、便利がったりして、携帯電話でメールに夢中になる気持もわかるような気がする。
この次は折角買った、折角習ったパソコンだから、他の機能を、もう少し上手に使いこなせるように、一つづつでいいから、勉強して行きたいと思っている。
そこから又自立した遊びが楽しめるかもしれない。そう思うと、娘の云った「自立しなさい」の一言は、案外私を発憤させる好材料だったのかも知れないと今では大いに感謝している。