第 2816 号2003.01.12
「 あこがれの摩天楼 」
へそくり (ペンネーム)
一昨年、体の調子が悪く、いつも不安で、明るくなれず、鬱々と暮らししていました。何をしてもつまらなく、悲しく、悪い方へ物事を考えて家に閉じこもっていました。そんななか夜中に突然、息苦しくなり
「ああもうこれでみんなとお別れかな」と思い、「いやせめて下着だけでも取り替えておこう。女の身だしなみだ。」と思い、起きあがれないのでごろごろ転がって、整理ダンスの取っ手に手をかけた途端、ニュウヨークに行かなければ!!自由の女神を見ずして死ねるものか。
と心の中で叫んでいたのです。
次の日親友に電話をして「ねえ、ニュウヨークつきあってよ。」と言う
と一言「いいよ。」
主婦で子どもも居るという悪条件の中、どうしても行きたいと我が儘を言い、とうとう決行してしまいました。
自由で、活気が溢れ、なんびとも受け入れるふところでかい世界最大の都会。それはそれは楽しく、今までの鬱病はどこへやら、すっかり元気をもらって帰国しました。
いま、ブルックリンから写した、ワールドトレードセンターの夜景の写真を見ながら、寂しいような、懐かしいような気がします。多くの大切な命を失ったけれど、また、あのあこがれのニュウヨークに戻って欲しいものです。